ソーシャルプロダクツアワード2026にて、香川の坂出第一高等学校、朝日通商さん、菓子工房ルーヴさんとともに取り組んできた「ハイスクールマフィン」が【ソーシャルプロダクツ賞】を受賞し、ゼミ生の柴田咲さんとともに授賞式に参加しました。
会場は、東京・有楽町のTokyo Innovation Base(TiB)。
多様な人がつながり、革新的なアイデアやテクノロジーで社会を前進させる挑戦者が集う、今回のアワードにふさわしい象徴的な空間でした。
ソーシャルプロダクツアワードは、持続可能な社会の実現につながる優れた商品・サービスに光を当て、社会性と商品性の両面を評価する日本で初めての表彰制度です。
単に「いい商品」を選ぶのではなく、その商品が社会にどのような価値を生み、生活者をどう巻き込み、未来をどう変えていくのかまで問う考え方に、改めて深く共感しました。
今年度は、昨年度に引き続き「令和6年能登半島地震および豪雨災害からの震災復興につながる商品・サービス」と、「生活者が持続可能な社会づくりに参加できるソーシャルプロダクツ」という視点のもと、さまざまな受賞商品が選ばれていました。
なかでも特に心に残ったのが、年度テーマの生活者審査員賞を受賞した「能登瓦再生陶器」。
能登半島地震を風化させることなく、現地で瓦礫の撤去や片付けに向き合ってこられた方々への感謝を、日々使う器というかたちで受け継いでいく。
その発想と姿勢に、強く胸を打たれました。器を手にするたびに能登を思い出し、支えてこられた方々への感謝を忘れない。そんな“記憶をつなぐプロダクト”の力を感じ、私自身も現地でいただいた器をずっと大切にしたいと思いました。
授賞式では、各賞の発表・授与、受賞者プレゼンテーション、審査講評、専門家審査員によるトークセッションなど、社会性ある商品づくりの現在地を学ぶ充実した時間となりました。
受賞商品それぞれの背景には、地域課題、環境課題、福祉、教育、復興、共創など、多様な社会テーマがあり、「商品をつくること」は「社会に問いを立て、社会に応答すること」なのだと実感しました。
最後に締めのご挨拶で登壇されたのは、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会会長であり、学習院女子大学名誉教授の江口康広先生。御年81歳です。
「自己満足で終わることなく、売上ナンバーワンを目指してほしい。売上は文化、利益は科学。売れれば売れるほど社会が良くなる仕組みをつくっていこう」という力強いメッセージと、江戸っ子らしい勢いある三本締めにとても元気をいただきました。
懇親会会場となったSWAN GINZAもとても印象的。
銀座の街の中にありながら、緑と木目調の建物がやさしく調和し、まるで“銀座の中に森がある”ような、おしゃれで温もりのある空間。
障がいのある方々の経済的自立を目指して始まった取り組みを背景に持つ会場であり、社会性を大切にするアワードの締めくくりにふさわしい場でした。
懇親会では、CEMENT PRODUCE DESIGN代表取締役社長・クリエイティブディレクターで、京都精華大学客員教授でもある金谷勉さん、そして株式会社SoooooS.カンパニー代表取締役の木村有香さんとご主人ともゆっくりお話しができ、大いに盛り上がりました。
第一線で社会性と事業性を両立されている皆さまのお話は刺激的で、これからのものづくりや社会実装を考えるうえで、大変貴重な学びとなりました。
高校生、大学生、企業、地域、行政、金融機関、専門家。
多様な主体がつながりながら生まれたハイスクールマフィンが、このような舞台で評価していただけたことを、本当に嬉しく思います。
これからも、アイデアだけで終わらせず、社会実装までやり切る。
想いだけで終わらせず、人を巻き込みながら形にする。
そんな地道な積み重ねを、これからも続けてまいります。
参加学生の報告
ソーシャルプロダクツ・アワード2026参加報告
経済経営学部 現代経営学科4年 柴田 咲
このたび、2日間にわたり東京での研修に参加し、企業見学ならびにソーシャルプロダクツ・アワード2026授賞式・懇親会に出席いたしました。
大学での学びが社会とどのようにつながり、実践へと展開されていくのかを現場で体感することができ、大変有意義な機会となりました。
1日目は、IPUジビエの取り組みでもお世話になっている東京都墨田区の山口産業株式会社を訪問し、工場見学を行いました。見学では、ミモザを用いた環境に配慮した革のなめし技術について学んだほか、ものづくりに対する考え方や、ビジネスにおける人との関わり方についても貴重なお話を伺いました。
通常の学生生活ではなかなか触れることのできない実務的な内容に触れることができ、環境配慮と事業性を両立させる企業姿勢について理解を深めることができました。
2日目は、ソーシャルプロダクツ・アワード2026の授賞式および懇親会に参加いたしました。
授賞式では、社会課題の解決と商品・サービスとしての価値を両立させた多くの取り組みに触れることができました。中でも特に印象に残ったのは、障がいのある方々が育てる胡蝶蘭「Flowers for SDGs」です。
自閉症や知的障がいのある方々の高い集中力や丁寧な作業特性が、高品質な商品づくりにつながっていること、さらに、そこで得た経験や技能が一般企業への就職につながる事例もあることを知りました。
商品を購入すること自体が、社会参加や社会貢献につながる可能性を持つことを学び、ソーシャルプロダクツの意義を具体的に理解することができました。
また、今回の参加を通じて、商品開発は単に「面白い」「あったらよい」という発想だけでは成立しないことを強く実感しました。実際に選ばれ、売れ、継続的に支持されることによって、はじめて社会的価値を発揮するのだと学びました。
商品は、売上を伴うことで社会に広がり、人や地域、社会全体を巻き込みながら課題解決に寄与していきます。そのためには、商品性と社会性の両立を意識しながら、企画・開発を進めていく必要があると感じました。
懇親会では、受賞した商品やサービスを手がけた方々と直接交流する機会を得ることができました。また、岡山とつながりのある方々とも出会い、新たな関係性を築くことの重要性を実感しました。
多くの社会人の方々が参加される場で名刺交換を行い、さらにマイクを持って挨拶をする機会もいただきました。緊張はありましたが、自分の言葉でしっかりと挨拶をすることができ、自身の成長を感じる経験となりました。
帰宅後、家族に2日間の活動内容や写真を共有したところ、多くの大人の方々と交流し、自分の考えを発信できたことについて、成長を認めてもらうことができました。
私自身も、この2日間を通して、商品・サービス開発に対する視野が広がるとともに、人とのつながりを築くことの大切さを改めて学ぶことができました。
今回の研修で得た学びを、今回受賞した坂出第一高等学校とのコラボ商品「ハイスクールマフィン」第二弾の開発や、保護犬の譲渡促進活動に活かしてまいります。
さらに、全国47都道府県でソーシャルプロダクツを開発している企業の方々とのつながりを広げ、IPUの認知度向上にも寄与できるよう、社会により良い影響を与えられる取り組みへとつなげていきたいと考えております。