概要
2021年9月から実施しているSDGs貢献型の「ブランド戦略論(担当講師:扇野睦巳)」において、この度、学生が考案したジビエラーメンを地元中小企業や専門家とコラボし「ジビエラーメンプロトタイプ試食会」として2022年1月5日(水)17時から、岡山市北区柳町にある「Café B-Style」で開催しました。
いきさつ
ブランド戦略論では、9つのチームに分かれ、社会課題を解決するブランド構築に取り組んでいます。ジビエラーメンは、経営学部現代経営学科グローバルビジネスコースで編成されたジビエレザーチーム(前田有希、坂東翔、安梅まどか、田中英理、坂本絢奈、池邊寛太郎)の発案で生まれました。昨年11月26日には、ジビエレザーチームからの提案で、鹿のと殺や食肉加工のフィールドワークを実施。これがきっかけとなり、命の大切さを皮だけではなく食からもアプローチしたいと自発的にストレッチ目標を立て、ジビエラーメンづくりにもチャレンジすることになりました。
ターゲットは、学生たちのご両親の世代(団塊ジュニア世代)で、美容や健康に気遣うお母さん(お父さん)世代とZ世代が一緒に、楽しく美味しくカジュアルに食べられるラーメンをつくることで、地域にも役に立つことができるのではないかという仮説に至りました。
とはいえ、ジビエ料理を食べたことがない学生も多く、どんな味なのか、本当にできるのかという中で、まずはできるところからやってみようという発想で、プロトタイプづくりに協力してくださったのが、ジビエ料理研究家の中川 妙子さん(岡山市出身)、株式会社冨士麵ず工房(本社:岡山県岡山市)専務取締役の波夛悠也氏、そして先日「ディスカバー農山漁村の宝」として岸田総理から表彰をされた株式会社アーチファーム(本社:岡山県岡山市)の黄ニラ大使こと代表取締役の植田 輝義氏でした。12月29日にズームミーティングを急遽行い、1月5日に「ジビエラーメンプロトタイプ試食会」を開催してみようという運びになりました。
この試食会で改良を加えたラーメンは、1月12日(水)に開催される中川妙子さん主催のTaeko’s Kitchen@岡山(B-style)で採用になるほか、新しい岡山名物として地元レストランやカフェ、その他飲食店などにも提案していこうと考えています。
ジビエラーメンを通じて解決したい社会課題
イノシシやシカといった野生鳥獣による農林水産被害金額は、岡山県全体で3億円程度と依然として高い水準となっています。その被害地域は、年々広域化しており、農業者の生産意欲の減退や耕作放棄地の増加等が問題となっています。捕獲された野生鳥獣のほとんどは、そのまま焼却されて廃棄されており、岡山市だけで約4000頭のイノシシが毎年焼却処分されています。
講師である扇野睦巳は、2021年4月よりジビエレザーやエシカルレザーの普及促進を行う一般社団法人やさしい革(所在地:東京都墨田区、代表理事:山口明宏)の理事メンバーでもあることから、産学官連携で人と動物と食に関わるサステナブルサプライチェーンの提案を岡山市に提案しています。
フィールドラーニングとプロトタイプづくりに全面協力したのが、環太平洋大学1期生で、倒産した食肉加工場を再建中の株式会社どんぐり(本社:岡山県岡山市)の代表取締役石原佑基氏です。と殺や解体の現場も見学させていただけたことがきっかけで、人間の都合で殺されてしまう野生動物を余すところなく活用できないかという思いに至りました。
ジビエラーメンプロトタイプは、スープを全て飲み干したいという学生の想いを受け、鹿骨と猪骨のスープを合わせたしょうゆベースの黄ニラ入りラーメンと、麺の専門家である波夛氏から提案された生パスタを使ったまぜそばの2種類を用意し、ターゲットの親世代に近い40代~60代、そして学生の保護者も参加し、運営者3名、学生3名、一般参加12名から様々な忌憚ない意見や提案をいただきました。
このイベントの模様は、1月11日火曜日18時15分から放送されるRSK山陽放送イブニングニュースの中で紹介されます。
現在は、参加者からのアンケートを回収し、ラーメンのブラッシュアップに取り組むと共に、ジビエレザーの商品化にも取り組んでいます。命の大切さを伝えると共に、害獣被害の多い地元瀬戸地区にも貢献できるよう、継続的な活動にしていきたいと考えています。