岡山市の瀬戸地区で捕獲されたシカの皮9枚がきれいな色に染めあがりました。
シカを捕獲し、食肉として解体後の皮を手配していただいたのは、株式会社どんぐりの石原佑基さんです。
動物の皮は、そのまま放っておくと腐敗してしまうのですが、耐久性のある、しなやかな革(レザー)へと変えるのが「なめし(鞣し)」加工です。
戦後急速に、生産性向上のためにクロムを用いたクロムなめしが普及しましたが、健康被害や環境被害をなくすために、IPUジビエでは、人にも環境にもやさしいラセッテーなめしを採用しています。RUSSETY(ラセッテー)はrusset:朽葉(クチハ)の造語で、落ち葉のように土に還るエシカルな革です。赤ちゃんにも、金属アレルギーの方にも安心・安全です。
https://www.yamaguchi-sangyou.co.jp/russety-leather
1枚からでも対応していただけるため、野生動物の方に捕獲量が一定でない場合でも、やさしい革のMATAGIプロジェクトを通じてなめしてもらえます。
https://www.y-leather.shop/html/page2.html
ただ、野生動物であるが故に、傷や色むらが生じてしまいます。
穴もあります。
少しでも革がムダにならないように、染めあがった革のどこまでを許容して使用するか、二宮五郎商店さんと打ち合わせをしながら、カップスリーブづくりを行っています。
大人の鹿だとしっかりした革なのですが、赤ちゃん鹿だと、紙のように薄く、商品化は難しいので別の商品をつくることにしました。
このままでは簡単に商品にすることはできないので、きちんとしたものにするには、裁断面や裏面の加工、付属品の金属のメッキに至るまで、二宮さんのこだわりと熟練した技術力が必要になります。
1枚1枚確認しながら、大切な命をつなげていこうと思います。